■ご挨拶
この度 茂登山東一郎(1940-2020年)のHPを開くこととなりました。
生前 画集を出版した際に「多くの人に絵を見てもらいたい」と語っておりましたので、
HPで絵を楽しんでいただけることは本人の意に沿ったものと思います。
ご協力頂きました方々に深く感謝申しあげます。 茂登山敬子
■主な作品
■最近の投稿
- 7 川沿いの道(酒匂川辺り) 1966年 25P
- 6 嵐の近い海 1966年 10P
- 5 樹 1978年 30P
足場はよくない 斜面にしっかり根を張り ねじれながらも
真っすぐ伸びようとしている そのムーヴマンに惹かれた
ある知人の画家が個展の折か この絵を見て
「これで(この絵で)戦いは終わったね・・・」と言ったのを
よく解らないまま覚えていたがそう言えなくもないようだ
それも冬の太陽が一番低い時期の早朝
昇ってきた陽が幹を横から照らしより効果的なのだ
そのタイミングに合わせ現場(小高い山)に通い続けた
一番寒い時だった
- 4 男の像 1973年 4F
特定のモデルはいない 総合したイメージである
父の面影もちょっと入っているかもしれない
沈潜と集中力
目は閉じているようにも 少し開いているようにも見える
- 3 海辺の山(小田原根府川) 1967年 25P
根府川海岸で写生をしていたら 散歩の人が立ち止まり
話しかけてきた「ここはよく描きにくる人がいるのですよ
でもヤクザな絵描きが多くてね あなたのは良い」と言われた
「ロッククライミングができるような山になっているね」
「それは僕の願望です」と言った
この頃垂直思考 上昇志向が強く 身の回りにそれ
を満たすモチーフがなく 抽象でデッサンをやっていた
直線が組み合って三角形を成し鋭角になりながら上昇していく
というムーヴマンだ
その方は近くに住んでいる絵描さんだった
誘われるままに家にお邪魔し 楚々とした奥様?にお茶をごちそうになった
その方の絵も見せていただいた 正直その時僕はその絵をよく解らなかった
それからずっとご無沙汰してしまったが後に展覧会で見て感動した
師のない また発表もしていない私だったがこの時誉められたことはことは嬉しかった
- 2 海辺の岩山(伊豆雲見) 1967年 20F
夏 友人の画家と民宿に泊まって写生をした
画材を担いで一山超えて海辺に出る 今は道路が整備されてしまったようだが
この構築的な構図が気に入った うまくとり入れられたように思う
手前は大きな丸い石がゴロゴロ重なっていて処理に困った
炎天下 海水パンツを履いていて 頭がボーっとしてくると海に飛び込み
少し泳いでからまた描いた
- 1 海 1967年 20F
これは写生的なものではなく 形而上学的な海だ
水平線一本で分けられただけのひどく単純な構図
動きは極力抑えられ 雲もなく 極く僅かな波
空の上の方は不自然なくらいに濃く
水平線(僅か右が下がっている)は強められている
遥かな 限りないものへの憧れ 静かさへの想い